
電源付きのサイトで使う電気製品は何か? 炊飯器やカーペットなどを使う人を見聞きしたわりには我が家の場合は意外と地味で、ポータブル冷蔵庫と電池の充電くらいにしか使っていなかった。ストーブやランタンなど、火器にこだわっていた自分には「電灯」を使うという発想が湧いてこなかったのだ。
2004年のゴールデンウィークにようやく「電灯」を使えば楽だということに気が付いて、机で使っていたクリップの付いたレフランプをキャンプに持って行き、ツーバーナーやテーブル、食後には焚き火の方向へと向きを振ることができたのは便利だったが、なんだかスタジオで写真撮影のためのライティングをしているような気分は否めなかった。
機能的なライトは便利だが、キャンプサイトで過ごすひとときにはムーディなライトも欲しくなるものだ。
それで、以前
【ターさん】のウェブサイトで紹介されているのを見た改造ランタンを思い出し、自分も作ろうと思ったのだった。

正直言って「お遊び」で作るのだから、あまり費用はかけたくない。といっていまどき灯油ランタンがうまい具合に落ちているものではない(ガソリンランタンは使いこなせなかった「にわかキャンパー」が悔し紛れに捨ててゆくことがある)。だから新品を買うしかなかったのだが、季節はずれのホームセンターを探せば埃をかぶったのが安く買える。自分の場合はネットオークションで2個550円で購入した。メーカー名も書かれていない安物であるが、手持ちの工具で加工するのだから、ちゃちな方が加工しやすいってものだ。それに、ホームセンターで売られている名の通ったブランドのものだって、OEMで作らせたものを自社パッケージで売っているだけなので、中身は同じものにしか見えなかった。
ランタンは手に入れた。次は電球とソケットだ。口金の直径が小さいE17という規格で作ることにして、ちょっと値段が高かったが初めからソケットにコードが取り付けられているものを買ってきた。電球を買うのは加工が終ってからにした。というのも、ソケットとホヤのバランスがよく判らなかったので出来上がりを見てからピッタリ合うサイズや形にしたかったのと、加工の最中に失敗して製作を断念したときに無駄にならないようにという深慮遠謀からだった(けっこうセコいね)。
さて加工だ。と言っても芯と、それを送るギアの部分を取り外し、穴をソケットの大きさに広げるだけだ。金切バサミなんて持っていないからニッパーでむしりとるように切り取ってゆく。安物のハリケーンランプだから出来るワザで、これが加圧式のタンクだったらそうは行かない。まぁさすがにささくれ立った切り口を仕上げるヤスリは手作業では大変だと思ったから電動ドリルの先に付けて使う砥石を買ってきた。
出来上がったものを眺めると、思ったよりもソケットが高い位置にある。これではあまり大きな電球や細長い電球は中に入れられないと思って90Wのクリプトン球を買ってきて使うことにした。(【ターさん】のものには450Wのハロゲン球が入っているそうだ。近所迷惑な明るさだろうと思う)
ビギナーズラックとでも言うべきか、最初のチャレンジでうまく作れたものだから、まだ開梱していないランタンがもう1個残っている。同じ物をもう1個作ろうか、それとも本来の灯油ランタンとして一度くらいは使ってみようか、ちょっと思案中。
まだ最初のやつもキャンプデビューしてないし...
メーカー不明
(2004年8月購入)
(2004年11月改造)