
またまたヘンな物を買ってしまった。
R.E.I.のカタログが送られてきて、今回は面白そうなものはないなと思ったところでやめておけば良かったのだ。それがその後すぐに配当金が送られてきて、去年はMOSS社のParawingというちょいと値の張るタープを買ったりしたもんで、配当が10ドルばかりついた。使わなきゃ損である。去年はこのタープその他のオーダーを出した後に配当が送られてきて、結局この3ドル弱のクーポンを使わずじまいだったので、今年は秋のカタログを待たずにさっさと使ってしまおうと思ったのだ。
そう思って改めてカタログをめくっていると、色鮮やかな上履きみたいなのが目にとまった。Aqua Socks という名でメーカーはNike、写真で見る限りではその名の通り水から上がったダイバーが船のデッキや磯の岩場を歩いたりするのに具合が良さそうで、しかも洒落た雰囲気であった。それに、何もそういう使い方をしなくたって、それこそ上履きやキャンプでテントサイトを動くときに使っても、靴よりはリラックスしてサンダルよりはしっかりした履物になるのではないかと思えたので、あといくつかの小物と一緒に発作的に注文した。
待つこと約10日(国際宅配便を指定した)、受け取った荷物についていた付箋を見てウムムとうなった。送り状では NIKE AQUA SOCK としか書いてないのに、日本国税関はしっかりと SPORTS FOOTWEAR,SOLE OF RUBBER. と運動靴の税率10%の関税をかけてきた。うっかりしていた。航空便の場合、この税率が同梱の商品の合計金額と、さらには運賃にまで適用されるのだ。船便にすれば良かった。しかしそれでも700円だから、まあ大騒ぎするほどのことではない(4月からはこれに消費税3%が加わるらしい)。
中を開けてみると、カタログでは絹のようにつややかに見えていたのはメッシュであった(よく見たらカタログの説明文にもそう書いてあった)。水際で使うことを考えたら当然だろうが、ムレなくていいい。
ちなみにお値段は26ドル。たしかに洒落た品物ではあるが、配当金のクーポンがなかったら買わなかったろうな、やっぱり。

「4月からはこれに消費税3%が…」というくだりで気がついただろうが、上の文章は、『ずぃす いず 西洋地下足袋』と題して1989年の3月に書いたものだ。5月にはこれを持ってソ連(当時)に行き、シベリア鉄道の車内で履いて過ごしていたのだけど、わりとサポート感が強く、気軽に脱ぎ履きができなかった。もともと足場の悪いところでぐらついたり、波にさらわれて簡単に脱げては困るわけだろうから、考えたら当然のことなのだろう。そういえば海岸でも使ったことがあったな。けっこう砂が入ってきて、しかも簡単には出ていってくれない。サンダルなら簡単に流れてゆくのだけど、これは足の下に残ってしまうのだ。
思ったよりも使い勝手が悪く、正直言って期待はずれだったところに、周囲の知人たちからも「ヘンなの履いてるなぁ。気持ち悪いぞ」とまで言われて、まったくいいトコがなかった。その後しばらく下駄箱の隅に転がっていたように思うのだけど、あのまま捨てちゃったのかなぁ。
昨年ごろから近所の靴屋の店頭に同様の製品が並んでいるのをよく見るようになったが、今頃流行ってもなぁ…。