
これはいったいいつ買ったのだろう?
あ、それ以前に「これはいったい何だろう?」と思っている人がいるかもしれない…コーヒードリッパーです。バネ状になっているから、畳むと言うか押しつぶせばペッタンコになってかさばらないというシロモノ。
ユニフレームのカタログに初登場するのが1992年版で、その年の秋には間違いなく使っていたから、我が家にあるユニフレーム製品では一番最初に買ったものかもしれない。単なるアイデア商品のように思えたが、翌年にはミニサイズが発売になり、95年には専用フィルターと収納ケース、96年には安定性を高めた三脚タイプ(トライポッド)や24金メッキモデル、一人用のウルトラライトとそれこそウルトラマン兄弟ではないが同時に5種類がカタログに載るという発展ぶりだった。さすがに翌年からモデルが整理されたりマイナーチェンジが施されたりして、今ではトライポッドタイプの大・小と、台座をシェラカップの形状に合わせたタイプの3種類に絞りこまれたようだ。いずれにしても「良さ」が評価された結果のロングセラーということだろう。
喫茶店でも使われているそうだから。
ただ、自分の周りではあまりいい評判を聞かない。「紙臭い」「味が薄い」…紙臭いというのはペーパーフィルターを使っているのだから仕方ないじゃない、厭ならサイホンかネルを使えよと思うのだが、薄いというのには同調してしまう。
なにかで読んだのだけど、コーヒードリッパーにはメリタとカリタがあって、メリタは穴1つ、カリタは3つという違いがあるという。穴3つのカリタは当然コーヒーが落ちるのが早い。故に味が薄いのだという。
その話を当てはめれば、穴どころかフィルターむき出しのこれは茶漉しでお茶を入れるかのごとくで、極アメリカンになってしまうのも無理からぬ話だ。でもまぁその辺は粉の挽き加減である程度調節できそうな気がする。ぼくは細挽きにしてお湯をさした時にドロドロ状態になるようにして淹れている。普通だったらエグイ味になってしまうのだけど、これがフィルターむき出しの良い面での効果なのか、空気にさらされてコーヒーが落ちてくるせいか、スッキリ感が出てエグ味を打ち消してくれているような気がする。
とはいっても、よほどひどい味でなければ平気でコーヒーを飲む人なので、ぼくの感じ方というのはあまり信用しない方がいいかもしれない。
キャンプでコーヒーというと、たいてい皆パーコレーターを使ってみるようだが、あれで旨いコーヒーを入れるのは難しい。というより、キャンプのコーヒーはこういうものなのだという諦めさえ持っているような節も見受けられる。焚き火のそばに置いて、銘々勝手にコップについで飲むという時には雰囲気抜群だが(気分はカウボーイ)、落ち着いてコーヒーを味わいたいときには、やっぱりこちらで淹れたのを選びたい。
…それに、ペーパーフィルター方式は後始末も簡単だしね。


ところで、上の写真はユニフレームの母体である
新越金網という会社から出していたコーヒーバネットである。大きさがちょっと小ぶりで持ち手が付いているのが特徴的だが、もう少しよく見ると、底部が楕円状に作られているのに気が付く。実は、この大きさとこの形に市販の台形状のコーヒーフィルターがジャストフィットするのだ。
《664018 コーヒーバネット》
ユニフレーム
(たぶん1992年購入)