
ホーロー製のキャンプ用食器というと、赤黄緑など色鮮やかなコップがリュックにぶら下がっている情景を思い出してしまう。また、実際、自分も赤いコップを持っていた時期があった。まぁ、キャンプというより登山やハイキングのお供といったイメージかな。
ある程度キャンプについて雑誌を見たりしているうちに、広く「食器」という括りでは白く斑点の入った青いホーロー食器というものがイメージとして深くインプットされてくるようになった。ただ、なんとなく皿類にホーローを使うことには少し抵抗があったのも事実だ。ぶつけたりして表面が剥がれたところに錆が入ったモノを子供の頃に見た思い出が残っていて、それが不衛生な印象として記憶にあるのかもしれなかった。
だから買おうとは思わなかったが、ショップで並んでいるのを見るのは好きだった。特に木製の棚にディスプレイされているのを見ると、素朴なアーリーアメリカンの雰囲気を漂わせていて気持ちが落ち着いたものだ。
上の子が生まれる頃だった。家内が「これで離乳食なんかを作ってみたいな」と、その頃よく行っていたアウトドアショップで直径15cmほどの小さな鍋を手に取った。アパートの部屋で使うには不似合いだし、あまり実用的ではなさそうだったけど、子供のための道具ということで、少しは遊び心があるのも悪くないと思って買って帰ってきた。

上の写真は出産後、アパートの前にあった公園で友人たち向けの「子供ができました」というご挨拶用の写真を撮ったときの一枚からトリミングしたもので、何枚も撮ったうちの一枚は右側にあるようなものになる。もちろん、まだ離乳食どころではないので、完全に撮影用の小物として脇に置いただけで、まだ全然使っていない状態だった。
そして、このあと、どこへ仕舞いこんだか行方不明になってしまった。
狭いアパートなんかだら、どこかにありそうなものなんだけど見つからない。引っ越す時には出てくるだろうと楽観していたが、とうとう出てこなかった。
このサイトは、今使っているグッズのみならず、かつて持っていたグッズについても思い出を綴りながら紹介してゆくことを目指しているのだが、思い出も何も、一度も使っていないグッズなのだ。だから写真も、公園で写したこの時のものだけ。
それにしても、いったいどこへやってしまったのだろう。
シンサ
(1993年購入)
1928年創設、当初はメキシコで家庭用品を作っていたそうだ。大人数向けのホーロー食器セットが豊富で、手入れもしやすく実用的なことからアメリカで人気を呼び大きなマーケットを得ることとなる。アウトドアではもちろんアメリカでは日常の食器としてもポピュラー…ということで、メーカーのウェブサイトを検索したのだけど見つからなかった。代わりに通販やオークションで売られているサイトがごっそりヒットした。