知る人ぞ知る『深谷アウトドア面白ライフクラブ』は、1983年の正月に発足した…といっても自分一人が洒落でそう名乗っているだけだから、途中でメンバーを増やそうなどとは考えたこともない。
そんな会だがスタートした年の5月には広報誌を出してしまった。タイトルは『こないだ』。内容は、こないだキャンプした話や、こないだ買ったグッズの話題が中心になっている。不定期刊行という気軽さで、突然半年くらい間があいたかと思うと、気合いが入って毎週のように出した時期もあったが、1991年の9月以来発行が途絶えている(そろそろ正式に廃刊宣言をしようかとも思うのだが)。
もちろん一人で名乗っているだけの洒落の会で、そうそうアウトドアの話題ばかりは続かない。まあ、実際のところは「ミニコミ誌形式で複数の友人に同じ内容の近況報告の手紙を出す」というコンセプト…と書くと、これが『とどまつハウス』の原型になっていることが判ると思う。
そういうミニコミ誌や手紙の流れをくんでいるから、『とどまつハウス』はテキストや画像のデータを更新時にほぼ全面的に入れ替えている。ペーパーメディアの『こないだ』と違うところは、よほどマメに意識して保存しようと心がけないと、バックナンバーは読者の手許には残らないということである。
でも、ちょっと残しておきたい話ってのもあるじゃないですか。
アウトドア関連に的を絞って、そういう保存性のある話をこちらに蓄積しようかなと思い、FOOLクラブのウェブサイトを作ってみました。
ま、思いついたのはいいけれど、まだ中身は空っぽに近い状態です。いまひとつコンセプトも固まっていない面もある…ぼちぼちやってゆきますので気が向いたら時々覗いてみてください。多少中身が貯まっていると思いますから。
という意気込みで最初にFOOLクラブのウェブサイトを作ったのは1996年の5月でした。その後内容が充実しないまま自然消滅してしまったのを『キャンプに行こうよ』というサイト名で復活させたのが2000年の暮れ。しかしこれまたほとんど更新がないまま2003年暮れの『とどまつハウス』リニューアルの際に消滅…いえいえ、どうもキャンプグッズの話を残そうという思いが強くって、そのうち復活させようと思っていたのです。実は画面には表示させていなかったけど、リンクボタンも用意していたのです。
2004年になってウェブログというものを知り、日記的に使うのが一般的だろうけど、こういう使い方もできないかなぁと思って始めてみました。単にグッズの思い出だけを書くのではなく、コメント機能を使ってその後書き足したいことや別の考えを持ったこと、もちろん自分以外の人の意見や感想も載せられるということで、内容に深みや厚みも増すのではないかなという気がしています。
これまでメンバーを増やそうと思ったことがない Fool Clubですが、コメントをつけてくれた人は「仲間」だと思っています。
いつだったか、久しぶりに雨のキャンプになった。いつも車の座席の下に転がしてある雨具を出してきて着ようとしたら、そのバリバリという音を聞いて友人がニヤリと笑いながら「
ハイパロンだね」
これを買ったのはもう10年以上も前になるだろう。そりゃぁ当時から
ゴアテックス製の雨具もあったが、今以上に高価に感じたし、だいいち、それほど雨具を常用するとは思えなかった。実際、平均して年に一回くらいしか使っていない。それだったらそこそこのものでも充分ではないだろうか。
もちろん、濡れによる体温低下が生死に関わるような場所へ行くのなら、たとえ一生に一度しか使わなくても必要な性能を備えたものを用意するべきだと思う。しかし、ぼくの場合はふつうにキャンプやハイキングをする程度で、それに義理がない限りは初めから土砂降りの時には出かけないので、極端に言えば100円のビニール雨具でも充分なのである。雨の中でそんなに激しい動きをすることもないので、それほど蒸れ対策を考慮しなくてもよいだろう。とはいえサラッとした着心地がよいのは言うまでもない。自転車やバイクに乗るわけではないから、動きやすさを追求しなくてもよい・・・等々それでも一応考えた末にハイパロンというゴム引きのレインコートタイプのものを買うことにした。これなら羽織るだけで腰や尻までカバーできるので、セパレートタイプのように雨ズボンを履かなくても済む。あれは股間が蒸れる上に、あわてて履くときに泥靴で内側を汚してしまうので(ぼくだけかな?)好きではないのだ。
そうは言っても、雨足が強くなるとズボンは必要になってくる。直接雨がかからなくても、地面からの跳ね返りやレインコートの裾からしずくが垂れてくるものだ。
そこで、レインコートと併せてレインチャップスというものも買った。のちに辞書で調べたら、西部劇でカウボーイが履いている革のオーバーズボンをチャップスと呼ぶのだそうだが、まさにあんな感じの「足だけ」の雨ズボンである。もちろんカウボーイのようにぶかぶかではない。
両脇の紐でベルトから下げるようにして留めるのだが、足だけであるから股間の蒸れがない。これは快適である。
雨の日だけではなく晴れた日だって、例えば朝露で濡れた草原を歩くときにもこれは使えて、そういうときにはなおさら「足だけ」というのが快適に感じるものである(ただ、この姿を見た友人からは「グロテスク」だという声があがるのだが)。こういう使い方ならスパッツを使っても良さそうだが、ショートパンツにサンダル履きというキャンプの散歩時では大袈裟になってしまうのである。なにより、畳むと胸のポケットに入れてしまえるというのも手軽なのだ。
・・・と褒めていながら、これを使ったのはまだ数回で、ここ7、8年にいたっては袋から出した記憶さえない。まぁ、それだけレインコート一枚あれば充分な程度の雨にしか遭っていないと言うべきか、大雨の日は外に出ないと言うべきか・・・。
レインコートとレインチャップス、それぞれ別個の商品である。ということは色違いで買うこともできるのである。ぼくはグリーンのレインコートにタンのレインチャップスという組み合わせにしている(結構地味である)。いかにも雨具、という風には見えないので、ちょっと気に入っているのだけど、他に使っている人を見かけないのは不思議なのである。もっと普及しても良さそうなんだけどなぁ。
(註:この文章を最初に書いたのが1995年頃である。その後ほとんど着用することもなく、それでもクルマの中に常備しているのだが、レインコートを広げると当時以上にバリバリと音を立てて、ゴムが粉となって飛び散りそうで怖い)
友人たち、いや、この際名前を公表するが、
大しまクン と
トチロウ から誕生日のプレゼントにと送られてきたときには腰を抜かした。段ボールに包まれてはいたが、持ち手の部分が見えていて、それを見ただけで中身が何かを悟ってしまったのだ。いくら宅配便の送り状に「食器棚」と書かれていても、だまされないぞ。
合羽橋を歩いていて思いついたらしいが、いやはや、いったい彼らは何を考えているのか。ぼくは「友情」という言葉について、もう一度よく考えたくなった。
しかし、貰った物は使わねばもったいない。下駄箱にするには靴がつっかえるし、カメラバッグにするには大きすぎる。結局のところ、コンパクトストーブやカップ麺、ポリ水筒や割り箸などを入れると上手く収まったので、これをクルマに積んでXCスキーの時に持って行った。さすがにこれをぶら下げてスキーをするようなことはしなかったが、駐車場に戻ってきて昼食というときには必要な物が一ヶ所にまとまっているので便利である。
調子に乗って、数年後にこれをソリに乗せて引っ張りながら適当な昼食場所を探しながら歩いていたら、本物の出前持ちに間違えられて「この先に誰か居るんですか?」と訊ねられたこともあったっけ (^^ゞ
ランチセットだけではなく、変わったものも入る。試しに突っ込んでみたら、驚いたことにICIオールシーズンドーム、ウイングタープ、サーマレスト2本と小さなレクタングラー型のタープが収まってしまった。さすがにポールまでは無理だったが、テント関係一式がまとまったので、(まだ装備がこの程度の時には)夏のキャンプの時には、まず設営というと、おかもちと竿袋をクルマから降ろしたものである。
もちろん中身を出してしまえばキャンプ中はカラになっているので、仲間のところに料理のお裾分けをするときに使うという、考えて見ればこれこそ本来の使い方をすることもある。
最初は冗談のつもりで使っていたのだが、FCAMPのオフなどでは名物化しつつあり、そのうちに大量のグッズをクルマに積み込むときでも、なんとかこれを持って行けるよう苦心してスペースを確保するようになってしまった。
一時はスモーカーに改造しようかとも思った時期もあったが、もったいなくて手をつけずにいたら、2004年になって本当にこれを使ったスモーカーを発売した
メーカーがあったのでビックリした。
メーカー不明
(1990年2月入手)